更生保護とは何だろう??

 
 

更生保護施設とは

 

 更生保護施設とは、更生保護法に基づいて運営される施設です。

 犯罪や非行をした人の中には、頼る人がいなかったり生活環境に恵まれず、あるいは、本人に社会生活上の問題があるなどの理由ですぐに自立できない人がいます。そのような人達を国の委託で一定期間保護し、円滑な社会復帰を助けて再犯を防止するという重要な役割を担っているのが更生保護施設です。

 なお、宿泊場所や飲食を供与するだけでなく、金銭管理や飲酒などに関する生活指導を行う他、就職の援助をしたり、必要と思える医療を受けさせたり、自立先の調整を行うなど、一人でも多くの人が円満に社会復帰できるよう援助しています。

 全国に100を超える更生保護施設があり、群馬県仏教保護会も法務大臣の認可を受け事業を行っています。

 
“再出発”支える更生保護施設
(ABCテレビ 福岡弥生寮様)
 
 
“最後のセーフティネット”更生保護施設
(UTYテレビ山梨 山梨以徳会様)
 

更生保護の始まり

 更生保護施設の歴史には、ある悲しい出来事がありました。

 明治時代のこと、静岡の監獄から釈放された吾作という一人の男がいました。かつては、あらゆる罪を重ねた吾作も、副典獄であった川村矯一郎の熱心な指導に心を入れ替え、真人間になることを誓って監獄を後にしました。しかし、10年振りに家に戻ると妻は別の男性と暮らしており、止む無く親戚を頼ったものの追い返され、宿無しの身となってしまいました。せっかく更生を誓ったというのに、親族からも見放された吾作は、川村福典獄に宛てた書置きを残し、ついには池に身を投げ自らの命を絶ってしまいました。吾作の書置きを読み、強く心を痛めた川村福典獄は、実業家の金原明善に相談しました。金原は地域の人々に呼びかけて協力を募り、明治21年には、監獄から釈放された人を保護する施設を作りました。これが更生保護施設の始まりです。

 

保護の目的

 
 罪を犯した人を刑務所等に隔離するのみでは犯罪はなくなりません。
 社会に出てきた人を保護し、生活を支援し、更生を助けることにより皆が安心して生活できてこそ明るい社会ができます。
 更生意欲があっても、仕事がない、頼れる人もない、住むところさえない、罪を償って再出発をしたいのにどうしたらいいのかさえわからない、何もないために追い詰められてしまい、また犯罪へと向かっていってしまう、そのような悲しいことが起こらないよう、一定の期間ではありますが、最低限である宿泊場所と食事だけは確保し、再出発のための支援や援助をしていくとともに、再犯防止を図ることを目的としております。